我が家の屋根の葺き替え
 
 
 2011年に当地を直撃した台風の為に、我が家の別棟(物置?)のトタン波板一枚と、車庫として使っている農作業小屋のビニール波板二枚が剥がれたので、修理する為にインターネットで資材を探したら、「ガルバリウム波板」という、ペンキ塗り不要でメンテナスフリー、トタン板の3倍から6倍の耐久性がある資材が有る事が分かり、9尺(長さ:約2700mm)のガルバリウム波板をネット通販で10枚購入して、前記の破損箇所を直しました。
 
 余ったガルバリウム波板を、我が家の別棟(物置?)のトタン板の上に重ねて葺いてみたら、思いのほか簡単に葺け、この方法であれば、雨漏りの心配が無く、母の面倒を看ながら、少しずつ葺けるので、我が家の別棟(物置?)と母屋の「瓦棒葺き」の屋根の部分を、ガルバリウム波板やガルバリウム鋼板(平板)で葺く事にしました。
 
 今年の夏に、母を車に乗せて避暑かたがた、アブラゼミ、ヒグラシ、ツクツクボウシ、ニイニイゼミ、ミンミンゼミなど、さまざまなセミの鳴き声()が聴ける標高の高い林道にドライブに何度も行き、急勾配の上り坂や下り坂の連続有り、急カーブの連続有り、山有り、谷有り、川有り、湖有りの長時間の変化に富んだドライブで母の頭の調子が良くなったのか、我が家に帰って来ると、その度に我が家の錆びたトタン屋根を見て、「屋根をやって(ペンキ塗り)もらわにゃいかん」「どっかに屋根をやって(ペンキ塗り)もらわにゃいかん」と言いましたので、ペンキ塗り不要でメンテナスフリー、トタン板の3倍から6倍の耐久性があるガルバリウムで葺き替える事に意欲が湧きました。
 
 
 
 
 
 手始めに、我が家の別棟(物置?)の屋根を葺くことにしましたが、屋根の面積が相当に広いので、相当な日数と時間が必要ではと思いましたが、午前と午後の合わせて1日に3時間から4時間作業をして、4日で葺き替えを完了しました。
 
 写真の手前の斜めに切ったガルバリウム波板を貼るのに、ガルバリウム波板を波板用のトタン鋏で斜めに切るのに、波に沿って切るのであれば波板と鋏の刃の山と谷のピッチが合って切り易いのですが、斜めだと波板と鋏の刃の山と谷のピッチが合わず、非常に切り難く時間を要し、切断面も凸凹になりましたが、切断した部分が「棟包み」に隠れるので問題ありませんでした。
 
 もし、壁面や屋根の端に貼る為に、波板を斜めに綺麗に切断する必要があれば、グラインダーか波板用の丸鋸刃を使った方が良いと思いました。
 
 その後、ディスクグラインダーを購入して、厚さ1mmのディスク(円盤状の砥石)でガルバリウム波板を切断したら、火花が沢山飛び散りますが、スッパ、スッパと簡単に切れたので、最初からディスクグラインダーで切ればよかったと思いました。
 
 ガルバリウム波板をオールステンレスのスクリュー笠釘を打ち込んで、屋根に貼っていくのは簡単で、それほど時間を要しませんでした。
 
 なお、釘に螺旋の溝が刻まれたスクリュー釘は、旧来の釘に比べて締結力が相当強く、釘を打っていて途中で曲がって、その釘をバールで抜こうとしても、抜くのに苦労するほど締結力が強いので、「棟包み」を取り付ける為の杉板を屋根に取り付ける特別長い釘以外は、全てステンレス製のスクリュー釘を使いました。
 
 
 
 
 
 
 
 屋根の頂に取り付ける「棟包み」を取り付ける杉板に適合する寸法(幅:約97mm 厚さ:約15mm)の杉板が、ホームセンターの資材館になかったので、幅180mm×厚さ15mm×長さ4000mmの杉板を、そのままでは長過ぎて車に積めないので半分に切って頂き、それを持ち帰って、丸鋸に一定の幅に切る為のガイドを付けて、板の長さ方向に切りましたが、1本2メートルの杉板を、屋根の棟の長さの二倍分切らなければならず、相当な時間と労力を要しました。
 
 杉板が屋根の棟の長さの二倍分必要な訳は、屋根の棟に、二枚の杉板をハの字の山形に取り付けるからで、材木には節などの固い部分と柔らかい部分があり、丸鋸の刃が硬い部分に来ると、杉板から大量の煙が出て、なかなか切り進めず、相当な時間と労力を要しました。
 
 材木は水に濡れなければ腐らないので、完璧を期して、屋根の「棟包み」の下の波板の谷の部分には、全て、シリコンシーラントを充填して、屋根で跳ね返った雨の飛末が内部の杉板にかからないようにし、その為に、シリコンシーラントをダンボール箱2箱48本+ばら売りを10本ほど購入しました。
 
 また、笠の無い釘の全てにシリコンシーラントを塗って、雨水の一滴も浸み込まないようにしました。
 
 
 
 
 
 
 
 我が家の別棟(物置?)の屋根の葺き替えが完了したので、次に、母屋の南側の「瓦棒葺き」の屋根の部分を葺き替えることにしました。

 この屋根は、「瓦棒」という角材と角材の間に、金属板製の幅広で浅いコの字形の雨樋のような構造の部品を嵌め、「瓦棒」の部分にコの字形の蓋を嵌め、その側面に釘を打って固定する屋根の葺き方です。
 
 幅広で浅いコの字形の雨樋のような構造の部分は、自分で制作し、「瓦棒」の部分に嵌める「瓦棒葺き用の合羽」はインターネットで購入しました。
 
 
 
 
 
 
 
 先ずは、幅が1尺半(約450mm)のガルバリウム鋼板(平板)の横幅方向の両端3センチを直角に曲げて、幅広で浅いコの字形の雨樋のような部品を作る為の長さ1800mmほどの作業台を作りました。
 
 作業台には、鋼板(平板)を、角のはっきりした直角に曲げる為の、鉄製のL型のアングルを取り付けました。
 
 長さ9尺(約2700mm)の幅広で浅いコの字形の雨樋のような部品も作るので、長さ1800mmほどの作業台では長さが足りないので、長くて作業台から、はみ出した部品を支える為の台も作りました。
 
 
 
 
 
 
 
 作業台の上の部品は、屋根の東端にある片方だけに「瓦棒」が有り、片方は屋根の端になっていて、この部分だけ特別長さが短く、構造が少し違う部分に貼る為に作りましたが、寸法を間違えて作った失敗作です。
 
 この部分だけ、屋根の幅が広くて、幅が1尺半(約450mm)のガルバリウム鋼板(平板)では横幅が足りないので、二枚の板の端を咬み合わせて、咬み合わせた部分を、適当な長さに切った垂木(大きい拍子木のような物)で叩いて真っ平らにして、一枚の板にしましたが、咬み合わせの部分で、咬み合わせの部分の長さだけ、長さが「戻る」ことを忘れて、「戻る」分を足し忘れて、「戻る」分だけ横幅が不足しました。
 
 なお、屋根に貼った、この部品では、咬み合わせの部分を叩いて真っ平らにする前に、咬み合わせの部分にシリコンシーラントを入れて、それから咬み合わせの部分を叩いて真っ平らにしたので、咬み合わせの部分に雨水が入る余地が無く、一枚の板と同じです。
 
 幅広で浅いコの字形の雨樋のような部品を作るのに、作業台に横幅1尺半(約450mm)のガルバリウム鋼板(平板)を、アングルから曲げる寸法分だけ、はみ出させて、三箇所ほどクランプで締め付けて「ずれない」ように固定してから、アングルから、はみ出た部分を、適当な長さに切った垂木(大きい拍子木のような物)で叩いて、鋼板(平板)を直角に曲げて作りましたが、鋼板(平板)の反発力が強くて、叩く位置を少しずつずらしながら叩いて、少しずつ角度を大きく曲げ、その作業を繰り返して直角に曲げましたので、一つの部品を作るのに25分から35分位の時間を要しました。
 
 
 
 
 
 
 
 幅広で浅いコの字形の雨樋のような部品の横幅を、「瓦棒」と「瓦棒」の間に嵌めると少し窮屈なぐらいに作ったので、「瓦棒」と「瓦棒」間に嵌めて少し浮いている部分に乗って体重をかけて押し込むと、それだけでピッタリと嵌って固定され、そこに、「瓦棒」に嵌めるのが窮屈な「瓦棒葺き用の合羽」を、適当な長さに切った垂木(大きい拍子木のような物)で叩いて、一端から少しずつはめ込むと、それだけで確り固定されました。
 
 その「瓦棒葺き用の合羽」の側面に、ステンレス製のスクリュー釘を打ち込んで完全に固定しました。
 
 屋根に完全に固定した、幅広で浅いコの字形の雨樋のような部品の最奥部の端と、垂直な壁面の間の隙間から雨水が入らないように、その隙間にシリコンシーラントを山のように塗って、もし暴風雨で最奥部まで雨の飛沫が達しても、一切雨水が入らないようにしました。
 
 この「瓦棒葺き」の屋根の直ぐ上に、瓦屋根が80センチ位深く被さっている上に、下の屋根と上の屋根の間の隙間は、腕を入れて奥で作業が出来ないほど狭く、シリコンシーラントを山のように塗るのに、手に持ったコーキングガンを腕を伸ばして最奥部にノズルを到達させ、シリコンシーラントを山のように盛った後、手に持った細長い角材を伸ばして、遠隔操作のようにして均したほど狭いので、台風の時、それも南風の暴風雨でしか最奥部まで雨の飛沫が達しないと思いますが、その一年に一度有るか無いかに備えて、シリコンシーラントを山のように塗りました。
 
 幅広で浅いコの字形の雨樋のような部品の先端(屋根の先端)は、先端を予め20mm曲げてあったのを、予め屋根の先端に取り付けておいた、長いL型のアングルのような形状のガルバリウム鋼板(平板)で自作した「水切り」金物を間に挟んで、「平ツカミバシ」という工具て挟んで潰して固定しました。
 
 
 
 
 
 
 
 「瓦棒葺き用の合羽」の側面に打ち込んだステンレス製のスクリュー釘は、垂直な面に打ってあるので、釘の部分から雨水は、ほとんど入らないと思いますが、全ての釘の部分にシリコンシーラントを塗って、雨水の一滴も浸み込まないようにしました。
 
 ガルバリウム鋼板(平板)を作業台に固定して、適当な長さに切った垂木(大きい拍子木のような物)で叩いて、鋼板(平板)を直角に曲げる作業には大きな音が発生する為に、土日や祝日には、折角の休日で、のんびりしている周辺の方々の迷惑になるので作業を控えたり、屋根の構造が複雑だったりで、屋根の葺き替えの完了までに日にちを要しました。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 「瓦棒葺きの屋根」の東側にある、窓の上に設けられた奥行きが80センチほどの日差しのような屋根も、幅が3尺(約900mm)のガルバリウム鋼板(平板)で葺き替えました。
 
 相当昔ですが、家を建築した時に板金屋が葺いた元の屋根では、トタン板を屋根に釘を打って固定する為に二段に葺いてあり、先ず、屋根の手前の半分を覆うトタン板の後端部に釘を打って屋根に固定し、その後端部と、屋根の奥の半分を覆うトタン板の前端部を、それぞれ折り曲げて咬み合せて屋根に固定してありましたが、二段に葺くのには手間が掛かることと、継ぎ目があると雨漏りの不安があるので、幅が3尺(約900mm)のガルバリウム鋼板(平板)を用いて一段で葺きました。
 
 二段葺きであれば、屋根の奥行きの真ん中に沿って釘を打って、トタン板を屋根に固定でき、強風などでトタン板が「バタバタ」と踊り?ませんが、一段葺きでは、強風などでガルバリウム鋼板(平板)が「バタバタ」と踊る?不安があるので、幅が50mmの長い帯状のガルバリウム鋼板を、屋根の奥行きの真ん中に沿って釘で打って屋根に固定するとともに、屋根の先端部分にも、同様に、長い帯状のガルバリウム鋼板を釘で打って屋根に固定し、その長い帯状のガルバリウム鋼板の上に「エポキシ接着剤」を塗って、その上にガルバリウム鋼板(平板)で作った屋根の部品を被せて接着しました。
 
 上記の接着に使う「エポキシ接着剤」は、ホームセンターなどで売っているチューブ入りでは相当な割高になるので、インターネットで「エポキシ接着剤」の2Kgセットを購入して使いました。
 
 充分な接着強度を得るには、「エポキシ接着剤」が硬化するまで被接着物同士を密着しておく必要がありますので、屋根の上に土嚢や材木の束を沢山載せて置きました。
 
 屋根の部品の最奥部は、屋根に釘を打って固定し、予め30mmの幅で曲げてあった最奥部を釘の上に被せてあります。
 
 今後、その釘の上に被せてある部分に、新たな板を咬み合せて、壁材の中まで入れる事も想定して、釘の部分だけにシリコンシーラントを塗り、曲げた部分には何も塗らず、いつでも、曲げた部分を開けるようにしてあります。
 
 屋根材に継ぎ目が無ければ絶対に雨漏りしませんので、出来るだけ継ぎ目を少なくする為に、東西方向の屋根に三枚、南北方向の屋根に三枚の部品だけで屋根を葺きましたので、一つ一つの部品が相当大きくなりました。
 
 なお、壁面の色が斑になっていますが、波板の表面に吹き付け塗装してある濃い茶褐色のペンキが剥げて、下の薄茶色のペンキが見えているだけで、波板が錆びている訳ではありません。
 
 
 
 
 
 
 
 家の裏手の台所の戸棚の部分の屋根も、幅が3尺(約900mm)のガルバリウム鋼板(平板)で葺き替えました。
 
 この屋根は葺いてあったトタン板を剥がして取り除き、新たな杉板を釘で打って張り、その杉板の上に「エポキシ接着剤」を塗って、その上にガルバリウム鋼板(平板)で作った屋根の部品を被せて接着しました。
 
 この屋根の向こうに、幅が1尺半(約450mm)の日差しのような屋根が設けられていますが、その上に瓦屋根があり、余り雨に濡れず、夜露や霜も降りず、直射日光も当たらず、屋根が余り傷まないので、来年の春以降に葺き替えようと思っています。
 
 
 
 
 
 母が健在な頃には、屋根の錆が目立ってくると、1馬力でエアタンク容量60Lのエアコンプレッサーから、30メートルのエアホースを伸ばして、私が屋根に上って、屋根にペンキを吹き付け塗装していましたが、母が要介護になったことにより、屋根にペンキを塗る暇が無くなりましたので、総費用で、250万円から300万円程度であれば、業者に屋根を、ペンキ塗り不要でメンテナスフリーの軽量瓦やスレート瓦で葺き替えて頂きたいと思っていましたが、屋根の面積が広いので、葺き替え代+足場代+廃材の処理費用で、前記の費用程度で収まるのか分かりませんでした。
 
 2011年に当地を直撃した台風の為に、我が家の別棟(物置?)のトタン波板一枚と、車庫として使っている農作業小屋のビニール波板二枚が剥がれ、その修理を切っ掛けに、我が家の屋根を、ペンキ塗り不要でメンテナスフリーの屋根材で葺き替えが自分で出来、資材代と工具代で30万円ほどで葺き替えられ、「災い転じて福と成す」になりました。
 
 相当な日にちを要しましたが、さまざまな屋根葺きの作業をしている内に、自己流ですが、さまざまな建築板金のノウハウを得、本職ではないので見栄えは「いまいち」ですが、板金でなら、どんな構造の屋根でも葺けるという感じになりました。
 
 大きな事は何か切っ掛けがないと、なかなか始められませんが、2011年に当地を直撃した台風の為に、我が家の別棟(物置?)のトタン波板一枚と、車庫として使っている農作業小屋のビニール波板二枚が剥がれた事が、「災い転じて福と成す」になり、屋根の葺き替え費用として250万円から300万円程度を考えていたのが、その修理を切っ掛けに、我が家の屋根を、ペンキ塗り不要でメンテナスフリーの屋根材で葺き替えが自分で出来、資材代と工具代で30万円ほどで葺き替えられ、少なく見積もっても200万円以上も節約でき、その切っ掛けをつくってくれた台風には感謝してい、正に台風様、様です。
 
 また、私の潜在能力をあらためて確認でき、正に台風様、様です。
 
 
 
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